姐さんと呼ばせてください!

女優さん好きな私が姐さんと呼びたい方々への一方的なファンレターを書いています

ボルベール(帰郷)は素敵な女たちの「おかん」映画でした

彼女を初めて見たのは「オール・アバウト・マイ・マザー」。その時の衣装が白だったと印象が濃いせいか、モニカ・ベルッチ姐さんと同じく濃い顔立ちなのに、黒より白が似合うと思います。私が彼女が出演している映画では「ハモン・ハモン」「それでも恋するバルセロナ」を見ているのですが、きりっとした顔立ちでスペイン語をまくしたてる黒猫みたいな人。ちょっと「殺意の夏」の頃のイジャベル・アジャーニをとがらせた感じだなぁと思っています。

ちょっと近寄りがたい雰囲気を、おばちゃん服と田舎の街並みとスペイン語が中和してくれて、彼女の中身である母性が浮き出てくる。下手にひかれたまつげ下のアイラインが表しているのは、娘や生活が第一の「おかん」であること。彼女には「エレガント」より「たくましさ」というスパイスが似合うのですね。

私が気に入ったのはモニカ以外の登場人物たちです。彼女が抱えた秘密ですが、自分の娘をいじめることなく愛すことができたのは、やはり彼女自身が母親に愛されたからではないでしょうか。母を憎んだと言っていましたが、それは求めていたことへの裏返し。母親が秘密にしていた行動からでも、この母親も「おかん」だったのだと思います。そして姉や近所の方々との関係も、情に濃いが明るい、軽い。じめっとしていないように思えました。

特に夜中にモニカに付き合ってくれた太めの情婦。彼女みたいな人、いいなぁ。何だろう、あぁいう人が同じ町にいるというだけで、引っ越ししたくなくなります。がんの人も良かった。特に冒頭で葬式後に姉の車を見送るシーン。誰もみていないけど手を振るところ。私は相手が見ているという計算で行動するヤマシイ女なので、こういうシーンにグッときます。あと美容院の客ね。こういう輪にすっと入れるか入れないかでコンプレックスは測れると思うのですが、入れなくとも美容院のイスにでもなって彼女たちのど~~でも良いおしゃべりをながめていたいと思いました。

ベネロペは映画で胸を強調されていましたが、私はタイトスカートのお尻のラインにぐっときました。強く、優しく、たくましくなりたい、なろう!と自分にハッパをかけることができました。