姐さんと呼ばせてください!

女優さん好きな私が姐さんと呼びたい方々への一方的なファンレターを書いています

左時枝さん(女検事・霞夕子「死なれては困る」より)

霞夕子シリーズは鷲尾いさ子さん版が有名ですが、初代の桃井かおりさん版で忘れられない作品があります。それが「死なれては困る」。左時枝さんの、いつも何かにおびえてる感、そこから来るヒステリック感、女の業と母性が絶妙。ちょっとキリキリしている感じだけれど可憐な少女のようで、和製ミア・ファローと呼んでいます。

この話がなぜ印象に残った(トラウマになった)のかというと、左時枝を見逃してあげて欲しかったので。そりゃね検事ですもの、ちょっとおかしいな、こいつ殺してるなと思ったらつかまえるのが当然でしょう。でも左時枝に同情させられる、頑張ってきたのに不幸で、やっとこれから幸せが手に入るのにぃ。夕子は見逃さないのよね。相棒の右京さん的に「正義」という感じではなく、夕子は黒か白しかない。そこは理屈じゃないのよ、ってところが桃井さんの夕子は出てて良いんだな。

でもこの回の左時枝さんは本当に大好きで、笑顔が特に泣きそうで良いんだな。あとダンナから解放されて自由になったのに、何となく背中が泣いているのよ。ミア・ファローも何となく泣いてませんか、背中。

信号待ちしてる間に黙り込む、そんな時枝さんに「大丈夫?」と思わず声をかけると「大丈夫!」と思いっきりの笑顔で返してくれる。でもその笑顔が余計に悲しくなる。逆にはげまされて別れて、ふと振り返ると泣いてる背中がだんだんと遠くなっていく。私はその背中を黙って消えるまで見つめている…妄想失礼しました。